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関西テレビ「あるある」問題の根の深さ『その3』

  不安な社会の健康番組/自己責任強いる日常が背景
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神里 達博『社会技術研究開発センター研究総括補佐』(科学史・科学論)
科学的になじまぬ単純さ
 それは、「成人病」と呼ばれてきた疾患が、、「生活習慣病」と名を変えたことを
思い出すと分かりやすい。そこには確かに「今や子供であっても罹る病気」という医
学的な根拠がある。だが、この言葉に「あなたの生活態度が悪いから病気になるのだ
」という説教じみた視線をも感じるのは、私だけではあるまい。近年の新自由主義の
浸透は、公衆衛生思想にも確実に影響を与えてきた。「あるある」の人気も、色々な
要因で決まるはずの「健康」が、個人の「責任」や「倫理」へと集約されていく、
そのような我々の時代の「生きづらさ」を、間接的に映し出していたのではないだろ
うが。
再生産される可能性も
 同様に、「前世」や「オーラ」などを扱う番組の根強い人気も、我々の社会におけ
る科学的・倫理的思考態度の衰退傾向とともに、自己決定・自己責任を強いられ続け
るようになった「厳しい日常」が関係しているとみるべきではないか。そこにはかっ
てエーリッヒ・フロムが指摘したように、溢れかえる選択の自由に食傷し、「強い他
者」に責任を委ねたいという心理も、作用しているかもしれない。つまり二重の意味
で、いわゆる「オカルト番組」と「健康番組」は地続きなのだ。だとすれば今後も、
視聴率の名のもとに、同様の番組が手を替え品を替え、不安な社会の中で再生産され
ていく可能性は十分ある。

 このように据え直すと、今「あるある」を葬り去ることのみで我々が満足してしま
うのならば、本当の解決には至らないことが分かってくる。対処すべき課題の裾野は
一気に拡大し、途方にくれてしまうかもしれない。だがこれは、この社会のいびつや
脆弱さを、直視する好機でもある。当座の問題にレッテルを貼って安心してしまうの
ではない、真に内省的な知性こそが、今求められているのだ。
                   (2007.01.31 朝日夕刊/文化『完』

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